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2020
09.28

黄金色の里山

AICSサテライトオフィスの A.S. です。

自宅周辺の3日前の風景です。先週までの暑かった日が嘘のように一気に秋になり、ここ北信濃の里山は黄金色に包まれています。先日の連休あたりから稲刈りも始まりました。この見慣れた景色もよくよく眺めてみると人の技と自然が織りなすダイナミックな美の空間です。まさに美しき黄金の国、日本です。

特に起伏に富んだなだらかな丘陵いちめんに拡がる飯綱町の田園風景は格別です。ここ数年「はざ掛け」をする田んぼが増えてきたのも私のお気に入りです。ガキの頃よじ登って遊んではしょっちゅう怒られていました。

米と言えば数年前、六本木の美術館で開催された「米展」を観ました。そこでは米がかたちを変化させ、暮らしの中で人とどのような関係を築いてきたかが見事にプレゼンテーションされていました。

素直に炊きたてをそのままたべてもうまい米ですが、食しても見た目にも美しい寿司に変貌させたり、餅となり美しい和菓子へと変化し季節を彩ったり、微生物との協働で日本酒になったりと変幻自在。わらを利用して卵やスイカを包む端整なパッケージの意匠や、自身を入れる米俵にもかたちを変えます。中でも私が一番心惹かれたのが各地域に伝わるわらや稲穂を使った「しめ縄」をはじめとした暮らしの無事を願う「祈りのかたち」でした。こんなにも多種多様なかたちがあるのか、しかもどれもこれもきわめて美しく神々しい。圧倒されました。

米展テーマの "まったくのいきもの、まったくの精巧な機械"
この米のとらえ方、最高ですね。心に響きます。

米と暮らしの関係で極めつけは精米時に出るぬかまで利用したぬか床で美味い漬物を作ってしまう知恵じゃないでしょうか。寸分の無駄もありません。
米をもみ殻付きで保存すれば強靱なシェルター機能のおかげで10年以上は軽く保存が出来るとか。米恐るべし。先達の知恵恐るべし。

そんな米ですがここ最近、気になることが有ります。ここより少し山間部に入っていくと耕作を放棄された田んぼの姿をよく見かけるようになりました。急速に増えています。山間地における農の担い手の高齢化は深刻で待ったなし状況です。田んぼが無くなると言うことは生きていくために地域が生産するエネルギー量が減少し、美しい風景も消失、上記の美しいかたちやそれを生み出す知恵や技も一緒に失われてしまいます。そうなると集落の存続もままなりません。循環がもたらす目の前の美しい田園風景の将来にわたる無事を祈るばかりです。